私は愛されている、大切な存在。
自信感と希望と愛に満ちた子どもたちを育む保育園

モンテッソーリ教育とは

 


1.マリア・モンテッソーリの発見
2.子どもの敏感期 
3.動きながら学ぶ
4.ひとりでするのを手伝ってね!
5.モンテッソーリ教育の環境と5分野(感覚、日常生活、言語、数、文化)
 

1.マリア・モンテッソーリの発見

マリア・モンテッソーリ(1870~1952)
イタリア史上初の女性医師であり、精神医学者。教育者。
子どもの家の担当を任され、子どもたちをじっくり観察する中で、「自分ひとりでできるようになるのを手伝ってください!」と叫んでいるこどもの姿を発見しました。

教育とは…
子どもが自分の心と体を自分で使って、その時に必ず成し遂げなければならない【自然からもらっている成長の課題】 に取り組めるよう、環境を整え、適切に援助し、励まし続けることです。

自らより良く生きようとする幼い生命に仕え、助けるのがモンテッソーリの幼児教育です。

2.子どもの敏感期

敏感期とは?
幼少期に、ある能力を獲得するために、環境の中の特定の要素に対して敏感に反応し、主体的に関わろうとする一定の期間のこと。

~3歳までの敏感期~
【①吸収する心】
0~3歳は、見るもの、聞くもの、触れるものすべてを積極的に、まるで写真に映し撮るように一瞬にして吸収する、特別な精神形態にあります。

この時、美しい言葉、音楽、いつも愛されているという確かな安心感、安定した雰囲気、豊かな文化と自然の中に生きることがとても大切です。
 

【②秩序感】

幼い子どもは秩序が好きです。この秩序を手掛かりに、自分を取り囲む世界をどのように理解し、どのように行動すればいいかを確かめていきます。

秩序は幼い子どもの内面に落ち着きと安心を与え、外界の秩序を通して内面の秩序、精神と思考の秩序を形成していきます。

(1)外界への秩序感
 場所:  同じものが同じ場所にある
 順序:  順番が同じである
 所有物: 持ち物と持ち主が一定である
 習慣:  いつもと同じ方法である
 約束:  約束を守る

(2)体内の秩序感
 こうしたらこうなると、体を動かしながら検討をつける期間

(3)精神の秩序感
 3歳までに精神が吸収した雑多な印象を、次第に特徴に従って区別しはじめるようになります。
例)大小、長短、形、色、濃度、臭い、手触りなど

 →区別し、分類し、集合することを通して精神を秩序立てていきます。
  やがて分析、集合、比較、対応などの知性の働きに結びついていきます。

3.こどもは動きながら学ぶ

幼児期は、この3つを完成させる大切な期間です。
この時期に、ありとあらゆる動きを経験し、経験しながら自分の意志通りに
自由に動かせる体を作り出すことが最も大切です。

「動きながら学ぶ」ことによって、知性と意志が生き生きと働き、「学ぶ力」「学び方」そのものを身につけているのです。

4.ひとりでするのを手伝ってね!

このサイクルの繰り返しが、自立心と自ら学ぶ力を育てます。
そして、将来の生きる力の土台となります。

自分の意志を大事にされて自分を創ることができた子どもは、周りの人の意志も尊重できる心豊かな優しい人間へと成長していくことができます。

子どもが自分で体を使い、心を使うことを妨げたり、取り上げたり、急かしたり、ほったらかしにすることによって、子どもの精神と肉体のエネルギーがバラバラになることが、様々な問題行動として現れます。

しかし、子どもが自分の知性と意志を働かせて体を動かす機会を得ると、精神と肉体のエネルギーが統合し、人格的な姿に変化します。自立していながら協調性があり、正直で優しく、自由の中で規律を守ることができ、他人への援助と理解する心が生まれるのです。

だから、子どもが心と体をひとつにして活動できる状況を整えてあげることが大切です。

5.モンテッソーリ教育の環境と5分野

人的環境:
1.愛をもって見る
  安らぎ、平和、静けさをもって、子どもをよく理解するために見る。
2.科学性をもって観察する 忍耐強く、持続性を持って注意深くみる
3.自分自身が変わるためにみる ~子どもを見る目と心を磨く~
4.生命の神秘に出会う
5.活動の全体を見る 発展していく過程を見る

物的環境:
1.子どもサイズであること ・ 美しいこと ・ 本物であること。
2.手を使い、体を使って活動できるものであること。
3.適切な広さと、保護されている雰囲気があること。
4.子どものテンポが保証され、集中して取り組める環境であること。
5.物の置き場所、置き方など、生活の隅々まで秩序があること。

私たちの体にとって栄養ある食べ物が必要であるように五感の全てで感じ取り、全身を傾けて関わっていく、この二つの「環境」はまさに子どもの脳の発達、内面の成長、人格形成に直結する栄養分になります。

5分野:

幼児期に顕著に現れる敏感期のエネルギーを利用して、感覚の洗練と日常生活の練習をまず繰り返します。この二つがよく身につくと、あらゆることを「感じ取り」「学び取る」実力となり、その土台の上に、言語、数がより確かに習得されます。言語と数の理解は、やがて豊かな文化の理解につながります。

幼児期は、人生の基礎を築く大切な期間です。
感覚の教育、日常生活の練習を通して、まずは「頭」を働かせながら「体」を使うことを学び、「動き方」と「考え方」を学ぶことで、豊かな人生を生きる力をつけていくことができます。